2011-07-30_004040

1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 11:16:52.02 ID:YJtltVm0O

魔王「んしょ、んしょ、……重いなあ」

茂みから覗く勇者

勇者「(こんな場所にも住んでる人がいるのか……)」

魔王「ちょっと欲張りすぎたかなあ?」

勇者「(まさか、魔物達にさらわれた子供か?)」

ガサッ

魔王「だれ?」

勇者「こんな場所で何をしてるんだい?」

魔王「うわっ!(人間だ、どうしよう!)」

勇者「大丈夫だよ。落ち着いて」


3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 11:19:20.87 ID:YJtltVm0O

魔王「だって、だって……(側近達に怒られちゃう)」グス

勇者「泣かないで」

ハンカチをそっと出す勇者

魔王「あ、ありがと……」

勇者「どうしたの?こんな場所で?」

魔王「……リンゴとりにきたの」

勇者「リンゴ?ああ、そういえば確かに……」キョロキョロ

魔王「……」

勇者「それで、こんなカゴいっぱいのリンゴを……」

魔王「うん……」


4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 11:21:00.13 ID:xuqgbXZY0

側近が側にいない時点でダメだろ


5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 11:21:02.58 ID:YJtltVm0O

勇者「この辺に生えてるのは野生のリンゴの木なのかなあ?」

魔王「……」

勇者「この辺で生活している人間なんていないからね」

魔王「うん……」

勇者「でも、それならどうして君みたいな小さな女の子がここに?」

魔王「あのね、毎年この時期にここまで降りてきて、リンゴを収穫してるの」


8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 11:22:42.88 ID:YJtltVm0O

勇者「収穫って、一人で?」

魔王「うん、みんなには内緒なの。だって知られたら怒られちゃうもん」

勇者「そりゃそうだよ。こんな危険な場所……(魔王の領域内までもうすぐの場所だぞ?)」

魔王「うん、いつもそう言われるの、側近に(人間の勢力下に行ってはいけませんって)」エヘッ

勇者「側近?(身分の高い子なのかな?)」

魔王「うん、すぐ怒るんだよ。この前怒った時なんて、3日間、毎食嫌いなピーマンだされたの」

勇者「はあ」

魔王「大変だったんだから」


10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 11:24:14.82 ID:YJtltVm0O

勇者「でも、リンゴならこんな危険な場所まで来なくても手に入るでしょ?」

魔王「お父様がリンゴ大好きだったから……」

勇者「お父さん?……だった?」

魔王「明日はお父様の命日なの」

勇者「…………」

魔王「アタシが自分でとってきたリンゴをお父様にお供えするの」
  「いっぱいいっぱい、食べ切れないくらいにお供えするの」

勇者「そうだったんだ……(健気な子だなぁ)」


12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 11:26:06.15 ID:YJtltVm0O

魔王「お兄ちゃん、ごめんなさい。アタシ、もう帰らないと」

勇者「ど、どうやって帰るの?」

魔王「んしょ、んしょ……。ん?ドラゴンに乗って」

勇者「ド、ドラゴン?(そうか!この子、竜騎士の国の人間か!)」
  「(でも、あの国からここまで随分な距離だぞ!ドラゴンで長距離飛行なんて聞いたことない)」
  「(それ以上にこんな小さな子がドラゴンに乗れるのか!それこそ聞いたことない!)」


15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 11:27:46.42 ID:YJtltVm0O

魔王「んしょ、んしょ……」

ヒョイ

魔王の手からリンゴのカゴを持ち上げる勇者

魔王「あ……」

勇者「どこに運べばいい?(一体何者なんだ?この子は)」ニコッ

魔王「お兄ちゃん、ありがと!」キュン

勇者「うん」


16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 11:29:30.07 ID:YJtltVm0O

魔王「すご~い!お兄ちゃん、力持ち~♪こっちだよ、お兄ちゃん♪」

勇者「ああ」

ガサガサ

魔王「ここだよ。おまたせ、ドラちゃん♪」

勇者「コ、コイツは!?」

魔王「ん?ドラちゃんだよ」

勇者「ド、ドラちゃんって……(このプレッシャー、普通のドラゴンじゃない!!)」

魔王「バハムートのドラちゃん♪」


18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 11:30:26.14 ID:YJtltVm0O

勇者「バ、バハムートだと!?」

バハムート「貴様、人間か?姿を見られたからには喰ってしまうか」ギロリ

魔王「ダメぇ!お兄ちゃんはお父様のリンゴ運んでくれたんだから!」

バハムート「むぅ……、しかし……」

魔王「そんなことしたら、もう口聞いてあげないから!」

バハムート「……」

魔王「エヘヘ…、お兄ちゃん、ありがと♪」


19: 忍法帖【Lv=7,xxxP】 :2011/07/27(水) 11:31:08.74 ID:fn8RnfHy0

幼女魔王とか完全に俺得


20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 11:32:23.14 ID:YJtltVm0O

勇者「し、信じられん!バハムートは伝説の生き物じゃなかったのか!?」

バハムート「……人間風情が我に話しかけるな」

魔王「ダメでしょ、そんな言い方したら!」プンプン

バハムート「……」

勇者「……(すごい、この子、バハムートを手なずけている!)」


21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 11:35:02.19 ID:YJtltVm0O

魔王「ごめんなさい、お兄ちゃん。この子、人間が苦手みたいなの」

勇者「君以外の人間には懐かないと言うことか……」

魔王「ん?アタシ人間じゃないよ?」

勇者「え?」


22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 11:36:24.11 ID:YJtltVm0O

魔王「魔王だよ、アタシ」

勇者「……」

勇者「…………」

勇者「………………」

魔王「♪」ニコッ

勇者「ええええええええ!!!」

魔王「わっ」

バハムート「騒々しいぞ、人間」


24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 11:37:27.97 ID:YJtltVm0O

勇者「そ、そんな……、こんな幼女が」

魔王「ありがと、お兄ちゃん。今日のことは忘れないよ、絶対に」

勇者「……」

魔王「お兄ちゃん、……ひょっとして勇者でしょ?」ニコッ

勇者「え?」

魔王「ドラちゃんに睨まれても平気だったから、そうなのかなって」ニコッ

勇者「……」


25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 11:38:33.23 ID:YJtltVm0O

魔王「リンゴ持ってくれたお礼に、いいこと教えてあげる♪」

勇者「いいこと?」

魔王「お兄ちゃんのレベルじゃ、アタシを倒せないよ。ううん、アタシのトコまで辿り着けない」

ゴゴゴゴ

勇者「なっ……(この子から感じるプレッシャー、今までの魔物とは違う!)」

魔王「お兄ちゃんが勇者なら、アタシの力、感じるでしょ?」

勇者「……(くっ!なんだこの息苦しさは!これが魔王の波動か!)」

魔王「引き返して?もっと強くなってね」

勇者「……(確かに今の僕の力じゃ無理だ)」

魔王「そしたら、また会えるよね」


27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 11:39:30.46 ID:LLGnHGzt0

これは期待


29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 11:42:50.65 ID:BLQnCduPO

かわええ


30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 11:43:39.35 ID:YJtltVm0O

勇者「君みたいなカワイイ女の子が魔王だなんて……信じられない」

魔王「カワイイ?エヘヘ、ありがと♪お兄ちゃんがもっと強くなったらまた会おうね」

勇者「…………僕は勇者だ」

魔王「え?」

勇者「君が魔王なら……、君を倒す使命がある」

バハムート「貴様……」

スッ

バハムートを右手で制する魔王

勇者「それなら、なぜ今殺さない」

魔王「……」


32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 11:47:12.14 ID:YJtltVm0O

勇者「僕は君の仲間達を沢山殺してきたんだ」
  「そして君達は僕の仲間達を沢山殺している」

魔王「……」

勇者「僕は魔王を許せない。君だって同じ気持ちだろう?」

魔王「……昔ね、お兄ちゃんが生まれるずっとずーっと前に、魔王に挑んだ勇者がいたの」

勇者「え?」


35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 11:48:39.54 ID:YJtltVm0O

魔王「300年前よ。実はお兄ちゃんよりずっと年上なんだよ、アタシ」

勇者「300年前って……まさか」

魔王「お兄ちゃんの先祖だね。その勇者がアタシのお父様と戦ったの」

勇者「……」

魔王「お父様はその戦いで命を落としたんだ」
  「まだ魔力に目覚めてなかったアタシは、その光景を黙って見てるしかなかった」

勇者「……」


36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 11:51:24.89 ID:YJtltVm0O

魔王「でも当時は不思議だった」

勇者「不思議?」

魔王「戦いながら、お父様も勇者も二人とも笑っていたの」

勇者「え?」

魔王「戦うべき相手はその人の使命であって、その人自身ではないの」

勇者「それなら、なおさらおかしいよ!僕の使命は魔王を倒すことだ!」


37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 11:51:27.96 ID:n/uXBuIW0

300年で幼女なら次会う時も幼女だな


38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 11:52:35.42 ID:YJtltVm0O

魔王「ねぇ、お兄ちゃん。この沢山のリンゴの木……」

勇者「ん?」

魔王「誰が植えたと思う?」

勇者「なにを急に……。誰がって……野生のリンゴの木じゃ…」

魔王「野生のリンゴの木がこんな場所に生えるはずないでしょ?」

勇者「まさか、誰かが植えたものなのか?」

魔王「うん」


39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 11:53:18.97 ID:YJtltVm0O

勇者「……誰が?」

魔王「お兄ちゃんの先祖よ」ニコッ

勇者「え?」


42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 11:55:42.53 ID:5y8g4W4R0

一瞬魔王が先代の子供なのではと勘ぐったが
見直してみるとそうでもなかった恥ずかしい


44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 11:57:05.38 ID:YJtltVm0O

魔王「アタシのお父様を倒した後、勇者は泣いていたわ」

勇者「……」

魔王「お父様は人間界に存在する甘い物が好きだった。中でもリンゴは大好きだったの」

勇者「……」

魔王「魔界には甘い果物は育たないから」

勇者「……」

魔王「お父様の死後、勇者がこの魔界の境界線のそばにリンゴの木を植えたの」
  「今のアタシにはあの時の勇者の気持ちがわかる」


45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 11:58:02.74 ID:YJtltVm0O

勇者「おかしいよ、そんなの!それなら僕は君のお父さんの仇じゃないか!」
  「明日、そのお父さんの命日なら僕の首をとって供えるべきじゃないのか!?リンゴなんかより!」

魔王「わからない?お兄ちゃん」

勇者「わからないよ!」

魔王「わからないのは、お兄ちゃんが強くないからだよ」

勇者「え?」

魔王「もっと強くなって。もっと痛みや悲しみを知ってね」

勇者「……」


46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 12:02:08.82 ID:YJtltVm0O

魔王「その時、アタシのトコまで辿り着けると思う」

勇者「な、なに?」

魔王「笑って再会できたらいいなあ……」

勇者「ま、待て!」


47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 12:02:47.59 ID:YJtltVm0O

魔王「ドラちゃん、行こう」

バハムート「うむ。……人間よ。貴様が牛や豚を喰らうのはなぜだ?」

勇者「……」

バハムート「もし、その牛や豚が言葉を持っていたら、貴様らに何と言うだろうか?」

勇者「……」

バハムート「全てが善なるものであるなら、戦いは終わらない」

勇者「……」

バハムート「勇者も魔王もその業の中に存在し、そして通過していく点でしかない」

勇者「……」

バハムート「その意味を知った時、貴様と魔王は再び出会うだろう」


48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 12:03:57.96 ID:YJtltVm0O

バサバサッ

魔王を乗せたバハムートが飛び立つ

バハムートの羽ばたきが周囲の木々を左右にしならせる

勇者「くっ……」

魔王を乗せたバハムートが少しずつ小さくなっていく


49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 12:04:49.26 ID:YJtltVm0O

バハムート「全く、魔王は甘い」

魔王「どして?」

バハムート「フッ……いや、やめておこう」

魔王「……これはお父様のお導きね。アタシの運命が動きだしたわ」

バハムート「だが、あの小僧、少々脆いな。途中で命を落とすやもしれぬ」


50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 12:05:56.46 ID:YJtltVm0O

魔王「大丈夫よ。必ずまた会える。だってこのハンカチを返さないと♪」

バハムート「やれやれ……」

魔王「もう!そんなことより、もっと急いでよ!門限に遅れるでしょ!」




53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 12:06:23.40 ID:f4cLVVOp0

ん?


55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 12:06:36.49 ID:n/uXBuIW0

・・・なん・・・だと?


56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 12:06:49.95 ID:mGy4VK4/0

短いな



57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 12:07:31.44 ID:KQXFmK5n0

プロローグが終わったとこだろ?


60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 12:15:20.65 ID:HWdp3g230

第二章期待age


62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 12:19:28.86 ID:vvrQUj73O

続編に期待


64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 12:40:22.84 ID:RvxwM2BKO

打ち切りにしてもこれはひど過ぎる
酷い仕打ちだ


65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 12:49:02.38 ID:ngiJ+vdYO

序章が終わっただけだろ
とっとと書け太郎


66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 13:02:05.73 ID:+r3Us6QN0

プロローグ終わり


67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 13:20:17.53 ID:ZVKenM7t0

まだだ・・・まだ終わらんよ・・・


俺と彼女が魔王と勇者で生徒会長 (電撃文庫)