kagakunojikan

1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/01(木) 22:40:47.31 ID:G3uXF42A0
そして調味料達は息を吹き返した。


2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/01(木) 22:41:41.77 ID:G3uXF42A0
なぜなら、彼らは生きていたからだ。
塩は短気だし、砂糖は暢気に口笛を吹くし、山椒は何処に出しても恥ずかしくない娘だし
豆板醤はいつだって赤い。


3: 忍法帖【Lv=19,xxxPT】 :2011/12/01(木) 22:42:00.22 ID:iqeLgNZP0
なんだ味噌のはなしか…


4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/01(木) 22:42:40.19 ID:7jEzcdC70
カビはえたったwwwww



5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/01(木) 22:43:08.01 ID:G3uXF42A0
酢は委員長だった。メガネをしているからだ。尿のような色の黄色人種だ。
ビネガーの臭いがして、くさい。
だけど彼女は人気者だった。フィッシュ&チップスによくかけられるからだ。
そしてかわらずマジメだった。委員長だからだ。


6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/01(木) 22:45:59.18 ID:G3uXF42A0
胡椒は二重人格持ちだった。躁鬱だった。
絶えず騒いで絶えず落ち込んでいた。よく自殺を図ったがそのたびに塩胡椒に止められた。
しかし塩胡椒は、胡椒の硫化水素自殺未遂に巻き込まれて死んだ。

その日から胡椒はおかしくなった。しかし、元々学校には行っていなかったので、
不登校だったので、誰も気づかなかった。そして誰も気づかないまま、胡椒は役目を終える。


8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/01(木) 22:49:19.37 ID:G3uXF42A0
ここでごま油が登場する。おれはごま油が大好きだ。ごま油は優等生だった、優しかった、
運動が出来た、何にでもよく合った、人と話をするのが好きだった、そして人格が破綻していた。

ごま油はごまの息子だと思われていた。そうじゃなかった。
ごま油は菜種油の子だった。不倫の子だった。自分の弟が実の父親だった。
そしてごま油の人生は急変した。何もしなくなった。心がそのまま澱となってごま油を濁らせた。
誰もごま油に触れようとしなくなった、使おうとしなくなった。だけどずっと彼はそこにいた。


9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/01(木) 22:55:08.10 ID:G3uXF42A0
味噌はかつて醤油の親友であった。醤油は大和撫子よろしくとても可愛らしいなりかたちで、
味噌は性根では醤油に欲情していた。しかし味噌はそれをおくびにも出さなかった。清く美しく
それでいて正しい友人として醤油と付き合っていた。しかし欲情心が収まることはなかった。

味噌は自律心が強かった。名古屋生まれにもかかわらず性根が腐っているということはなかった。
しかしある日を境に味噌は腐り始める。醤油が魚醤に犯されたのだ。


10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/01(木) 23:00:17.33 ID:G3uXF42A0
魚醤はある年まで知恵遅れのようだった。ようだった、というのは彼が今では、学校では
真っ当な人間のように、年相応の子のように見えたからだ。

しかし真実魚醤は知恵遅れの切れ者だった。要するに気が狂っていた。
魚醤は自分の体を意のままに操れた。尿意を我慢して、ため込んだ尿を血液に少しずつまぜ
循環させることができた。あるいは、汗のように、日常として精液を垂れ流すことが出来たとも言われる。

魚醤の母はアンチョビだった。好奇心が強く、陸に憧れた。しかし憧憬が強すぎるあまり、
陸に近づきすぎて打ち上げられ、死んでしまった。そこを通りかかった漁師が思いの丈をぶつけ、
そして出来た子が魚醤だった。


11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/01(木) 23:04:50.15 ID:G3uXF42A0
魚醤は性欲が強かった。誰にでも欲情出来た。
自分の肉体をコントロール出来たので、表だった問題は起こさなかった。

12になった。第2次性徴が訪れ、イヨイヨ性欲は本格化した。
汗のごとく垂精液をれ流すことで保っていた自我が、それを超える性欲によって壊されつつあった。
血液に溶かしすぎて、循環する血の約7割が精液だった。その異常な状態は、肉体を変化させた。変態とも言って良い。
ポンプのはずの心臓はいつしか精巣の役割を果たすようになった。。


12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/01(木) 23:11:28.74 ID:G3uXF42A0
普通心臓は、1分間に約5lの血液を体に送り続ける。
魚醤の血液の7割はもはや精液だったので、都合3.5lもの精液が
毎分毎分肉体を巡っていたことが解る。これで性欲を抑えられるはずもなかったのだ。

まず、外傷を負うと、勢いよく傷口から射精した。
擦り傷を負った。精液が傷口からにじみ出て、2分もすればドクドクと溢れ始めた。
というのも、本来血液は外に出れば凝固する方向へ向かうのだが、それはあくまでも
血液が血液として働いて居るからだ。

魚醤の血液はもはや我々の言う血液ではなかったので、凝固作用が極度に働かない状態であった。
魚醤が鼻血を出すとやはり鼻から射精をしたし、生理の時には常時射精していた。
虫さされをかきすぎても射精したし、内出血で収まるような血液ではなかったから、
少しでも肉体をぶつけようなら、そこから肌が破れて射精した。


13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/01(木) 23:14:47.98 ID:G3uXF42A0
魚醤が14になった頃、イヨイヨ性欲は本格化した。
血液の精液含有量は8割を超えたし、汗のそれよりも粒度の粗い精液が汗腺を圧迫して
白いデモノのようなモノが至る汗腺からにじみ出て、さながら化け物の様相をするようになった。
そして臭かった。


14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/01(木) 23:16:18.96 ID:G3uXF42A0
15になった。彼はもはや精液で生きていた。


15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/01(木) 23:20:08.05 ID:G3uXF42A0
調味料にも学校があった。
それは人間と同じように生き、生活する場だった。
勉強もした、部活もした、あるときは喧嘩をして、晴れた空を見上げた、
役割を果たした、委員長が居た、生徒会長もいた、そして恋もした。

恋をすれば肉欲に結びついた。彼らは調味料だから、
本能たる食欲にもっとも近い者達だから、性欲にも敏感だった。


16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/01(木) 23:25:40.47 ID:G3uXF42A0
調味料は調味料の役割があった。しかし学校にもそれはあった。
日直とか、エサやりとか、掃除とか、色々あった。

学校には鶏が居た。7羽居た。チャボも居た。シリアルみたいなエサをよく食べた。
タマゴを獲ろうとすると、威嚇をした。突いた、羽ばたいて、しゃがんでいる調味料の目を狙っていた。
ワサビはそれで失明したし、ラー油は死んだ。今尚当番として働いて居るのは豆板醤と甜麺醤くらいだった。

鶏の世話は1日交代だった。朝の8時に、エサをやって、産まれた卵を獲るのが役割だった。
しかし朝の9時になってもエサはなかった。教師たる岩塩は首を傾げた。役割を思い出しているらしかった。
そしてチャイムがなった、教師は思い出した。


17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/01(木) 23:26:15.37 ID:G3uXF42A0
「ああ、今日は豆板醤の、当番じゃん?」


100点満点の出来だった。


【完】


18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/01(木) 23:30:45.40 ID:iqeLgNZP0
やっぱ味噌のはなしっだったじゃん?

>>1


調味料を使うのがおもしろくなる本 (扶桑社文庫)
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